知っておきたい葬儀のマナー
葬儀は亡くなった方に対して自分たちが送るものと一概に思われがちですが、本来は葬儀とは亡くなった方を送っていただくために自分たちが導師に願い出て行う儀式ととらえることが大切です。自分たちが送るんだ、と思うことで、自分たちの概念や価値観を押しつけてしまうことに繋がりますが、実は葬儀は宗派や宗教によってそれぞれ考え方や送り方が違ってきます。したがって、宗派によっては世間一般の概念とは違い、色花を嫌ったり、行う手順があったりしますので、その点を充分に踏まえておくことが大切になります。まず葬儀を行う場合は導師をお願いする宗派が何宗であるか、また、その宗派のしきたりはどのようなものであるかを知っておかねばなりません。
しかし、一般にはそうしたことは深く知らないのが当たり前です。そこで、葬儀をとりしきる業者に導師をお願いする宗教家とよく打ち合わせをしてもらうことが大切です。世間一般では例えば線香一つとっても立てることが多いですが、宗派によっては線香は寝かして用いる場合もあります。導師はその宗派の信仰する神仏に対し奉り、送る側を代表して亡くなった方を託す立場ですので、その宗派のしきたりに合わせることが神仏に対する礼儀とも申せます。
ですから自分たちが知っている宗派と考え方の違う宗派の導師にお願いするならば、自分たちの考えを押しつけることは大変失礼にあたります。宗派宗教によってそれぞれ決まり事があり、それを崩させるようなことがあってはなりません。したがって、業者にどのように執り行うべきかよく確認をとってもらい、それに従うのが大切なマナーであると申せます。